谷川岳エコツーリズム推進協議会 公式サイトです。

推進協議会について

谷川岳エコツーリズム推進協議会について

群馬県みなかみ町ではエコツーリズム推進法に基づく国の認定を受けるために谷川岳エコツーリズム推進協議会を立ち上げエコツーリズムの全体構想作成と併せてエコツアーガイド養成を行って来ました。2011年9月に協議会において、全体構想が承認され、2012年7月に国の認定を受けました。

全国では3番目の認定、国立公園内での取組の全体構想認定としては全国初となります。

基本理念

「谷川岳エコツーリズム推進協議会」は、上信越高原国立公園の谷川岳を中心とする約64平方キロメートルという広域なエリアにおいて、谷川岳周辺地域固有の自然の保全と活用を目指し、歴史・文化にふれあう機会の提供、地域振興への貢献を同時に実現するため「守る」「活かす」「交わる」を基本理念としたエコツーリズムを確立することを目指して設立されました。

エコツアー実施ためのルールづくり、ガイド養成、ツアー・ガイドのためのガイドラインづくり、ガイド登録・認定制度の立ち上げ、ツアープログラムの開発、特定地域における保全・利用方策の検討をはじめとしてエコツーリズム推進に必要な事業を進めていきます。

推進の背景と理念

谷川岳は、群馬県と新潟県との県境地域に位置する越後山脈に属し、トマの耳(標高1,963m)、オキの耳(標高1,977m)の二つの峰から成り立っています。トマの耳には三角点が設置されており、周囲の清水峠や三国峠に至る山岳地帯は「谷川連峰」とも呼ばれています。周辺は我が国の代表的な自然風景地として上信越高原国立公園に指定されているほか、いわゆる「百名山」の一つにもなっている我が国の代表的な山岳地域です。

谷川岳周辺は、日本三大岩壁とも呼ばれる一ノ倉沢のように、熟練した登山家でなければ挑戦できないような非常に厳しい地形を有する地域でありながら、一方ではロープウェイを利用した気軽なトレッキングや登山も可能なほか、田尻尾根、西黒尾根などの登山道もあり、子どもから中高年層まで、またファミリーから本格登山家まで様々な人々が利用できる山岳地域でもあります。

地理的には、谷川岳は日本海側と太平洋側を分ける中央分水嶺にあたるとともに、地形的には先に述べたような群馬県側は一ノ倉沢、マチガ沢などの大岩壁が連なり、新潟県側は比較的なだらかな山容となっており、その非対称性が際だっています。さらに、山体を構成する岩石は蛇紋岩、花崗岩、輝緑岩、結昌片岩や堆積岩類、流紋岩など非常に多様であるのも特筆される点です。

谷川岳周辺は気候的にも、日本海側と太平洋側の境にあたりますが、冬期には谷部では10mを超える積雪となるとともに、12~3月の月平均気温は氷点下となる非常に厳しい気候です。

植生については標高1,600m程度以下では、ブナ林が広がっていますが、上記のよう特

徴的な地形、地質及び気候が、植生にも大きな影響を及ぼしており、多様な植生が見られます。すなわち、亜高山帯の下部に位置する山地帯では、ブナ林が広がり、その上部にはミヤマナラやマルバマンサクなどからなる比較的背の低い森林が存在し、さらに頂上部にかけては、ササ草原や、雪田草原、風衝草原が存在し、ハクサンイチゲ、タテヤマリンドウ、ジョウシュウオニアザミなど多様な植物が生育しています。

この豊かな植生は、豊かな動物相をも育んでおり、当該地域にはツキノワグマやカモシカ、リス、ノウサギやヒメネズミなどのほ乳類など様々な動物が生息しているほか、イヌワシ、クマタカなどの猛禽類をはじめとする数々の鳥類も生息しており、谷川岳周辺は動物にとっても重要な生息地となっています。

このように豊かな自然を有する谷川岳ですが、一方で東京都心からの直線距離は約150km、東京駅から山麓までは新幹線とバスを乗り継いで約110分程度で到達する距離にあり、マイカー利用の場合でも、練馬ICから140kmと非常に利便性の高い地域でもあります。しかしながら、その利便性のよさのために夏期や秋期には多くのマイカー利用者が集中する等、交通渋滞の発生はもとより、植生荒廃や野生生物の生息・生育環境等に対する悪影響などの懸念もあることから、お盆や紅葉の時期にマイカー規制などの取組も行われています。

我が国の中でも傑出した自然観光資源を有する谷川岳ですが、旅行者が生態系に悪影響を及ぼすことなく、自然の生態系を理解し楽しむことができるよう、生物多様性の保全に留意し、自然観光資源を保全しつつ、より効果的に活用する方法を導入することが、大きな課題となっています。このような視点に立って考える時、エコツーリズム推進法の基本理念にあるように、「自然観光資源が損なわれないよう、生物の多様性の確保に配慮しつつ、適切な利用の方法を定め、その方法に従って実施される」エコツーリズムは、有効な手段であると考えられます。2008年6月に閣議決定した「エコツーリズム推進基本方針」には、エコツーリズムを推進する意義は、「自然環境の保全と自然体験による効果」、「地域固有の魅力を見直す効果」及び「活力ある持続的な地域作りの効果」の3つの効果が相互に影響し合い、好循環をもたらすことにある、と記載されていますが、これらの3つの効果を生み出すエコツーリズムは本地域の発展・向上に寄与するものと考えられます。

構成団体

ダウンロード(PDF形式:92KB)PDF

PAGE TOP