透角閃石をみてみませんか
透角閃石(トレモライト)は、大きい括りで石綿(アスベスト)の仲間です。種別は珪酸塩鉱物、主な成分はカルシウム・マグネシウム・珪酸からなり、谷川岳で見られるものは放射状に針状繊維状の模様が現れています。菊の花が開いているように見えるので菊花石の俗称があります。谷川岳では天神平やマチガ沢のS字下部で見ることができます。特に、天神平では散策ツアーにおいても紹介してくれます。
この透角閃石の仲間である石綿(アスベスト)は、尾瀬の至仏山で見つかっています。石綿は蛇紋岩や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石で、以前は建物などの断熱材や防火材などに大量に使用されていましたが、人体への有害性(飛散した石綿繊維を大量に吸入することにより肺癌や中皮種の誘因になる)から2006年に一部を除き使用禁止となりました。もちろん、谷川岳にも蛇紋岩帯が広く露出しており石綿が発見される可能性があります。